彼奴の様子を見ようと玄関の扉を押した
外に一歩踏み出すと
温い、淫靡な風が身体に纏わりついた

山椒の幼木を前に
いつもより速い雲の流れを眺めながら
やおら屈んだ
山椒の支柱に取り付いていた蛹は蛻の殻
どこへ行ったんだ、お前
目を凝らす
幼木の根元に
恥らうように
綺麗に着飾った少女が隠れていた

お前か
何故こんな日に

見つかったことが恥ずかしいのか
直様、
天空に身を投げ
風にはためく旗のように
舞い上がり
一枚の木の葉ように
流れて消えた

波瀾の生の幕開け
その厳しさは人間の比にあらず
蝶として生まれたその日に
くたばるやもしれず

己の無念は晴らせたか

台風9号が直撃する9月7日の朝に
強き生を
お前の
強き生命を祈るのみ

コメント

nophoto
くうやん
2007年12月1日23:23

時代の移りは速いもので、私もアナログに育った時代で最近の世の中にはついていけない事もありますが、矛盾しているのはインタ−ネットの便利さにありがたしと思う今日この頃です。 
人は人として生を受ければ欲深し
自然の生き物は死など恐れず
生きる事のみ我を全うす
井の中の蛙さんも生きることに対してとても考えているようですね、どの日記からの伝わってきます。
生きている間、人生に対しての答えを探していますが、なかなか見つかりません、もうすぐ還暦を迎える私でも。。。(笑)
雑念もなくシンプルに生きていけたらいいのですがね。。。

朴念仁
スター
2007年12月3日16:39

洟ったれの二十代の頃、人並みに情報や流行に遅れまじと焦りを感じた時期もありましたが、今は置いてけぼりをくらっても何のその、平気の平左となりました。
年齢的なものもあるのでしょう。
次から次へと情報技術の進歩さには呆れるばかりですが、同時にその罪深さにも眉を顰めるばかりです。
パソコン、ネットのお陰でこんな機会を与えられ、くうやんさんともお知り合いになれた訳ですが、携帯やらネットやら便利なるもの全て消滅しやがれ、と今でも思っています。
人間である限り諸々の欲からは逃れられないのでしょうか。
ここ数年で思い至ったことがあります。
人間は大きく二つに分かれると。
欲に生きるか、良心に生きるか。
まだまだ洟ったれの小僧ですが、今後の余生、自分という人間を見定めていきたいと思います。

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